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民芸工場へ潜入!~クラフト~

メゼーニ塗りを体験。黒と朱を使い、馬やシカ、鳥を古典的な
独特の模様で描いていく。アルハンゲリスク州の中でも、
ロシア全土でもこのメゼーニ塗りは抜きん出て個性的。
ここでも職人の頭の中にはちゃんとパターンが叩き込まれている。
つがいで舞う馬、その周りを水鳥が飛ぶ。野原をかけるシカ。
太古のロシアの大地が浮かぶ。
真剣に!集中して!筆をぶらさないように・・・・描いていると
カメラを手にした他の職人が私の隣に座っている師匠に向かって
「あんた、無駄に胸見せびらかすんじゃないわよ!しまいなさいよッ!」
工房は爆笑の渦なんだけど、緊張の糸はバッサリ。
師匠、うらやましいばかりです・・・。
Mezen-1.jpg

ここの工房にはワレリーと言うベテラン職人がいます。
彼はサンクトペテルブルグの工芸大学を首席で卒業し
ご褒美に日本を旅行したことがある。それは40数年前。
広島の原爆資料館と富士山を見たことだけは覚えているそう。
そのとき日本で買った折りたたみ傘はとても丈夫でつい先日まで
使っていたらしい。「本当はイタリアに行きたかったんだけど
テロか何かの大きな事件があり渡航できなくなったんだ。
だから急遽日本へ変更になった。すごくいい思い出。」と。
この日一日は彼は日本の思い出話でまったく仕事をしなかった、と
翌日マネージャーがお怒りでした・・・。夢を再びだね、ワレリー。
Valery.jpg

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