ルーブル売り~モスクワで生きる2~
ルーブルを売ってドルを買う。
友人もロシアの銀行口座は解約したそう。
国も大変ならもちろん国民も大変。
インフレで狂った去年までのモスクワ、今年はどっちの方向へ進むのだろう。
ロシアではドル高ルーブル安、日本では円高ドル安でしょ?
じゃあ日本人にとってお買物天国ジャン!
な~ンてロシアの市場はそんなに正直ではないようです。
「ルーブルが15%下落したら売値を15%値上げして、しかもドルで売る」
こういう企業、お店は結構あります。
しかし、実際モスクワ市民の生活は気楽なものではないようで・・・
一度上の生活を知ってしまうと水準をそう簡単に下げることはできないのでしょう。
そう、合皮のバッグの次はワンランク上の本革のバッグが欲しくなる。
そう、2LDKから次に引っ越すときはワンランク上の3LDKの部屋を探す。
そう、次に付き合う男は別れた男よりワンランク上を、当然でしょう!?
人間は欲の塊ですから。
不況になったからと言って簡単に物価を下げることもできないのです。
今の生活を守りたい、これは私たちも一緒ですね。
物価が上がるのは早いけど、下がるのは本当に遅いッ!
体重と一緒です。
2009年、モスクワで生きると言うことは死闘と同じでしょう。
何かと批難ごうごうの日本の首相ですが、「日本はまだまし!」発言には
思わずうなずく私でした・・・。
今日もトイレで稼ぐ~モスクワで生きる~
そのインフレっぷりは国民を圧迫するばかり。
たとえばガソリンは自国にガス、石油があるにもかかわらず
27~29ルーブル(2008.11現在モスクワ)≒108~116円。
4年前ドライバーが「10Pに上がった!」とぼやいていたのに。
ロシアの都市部では町のあちこちに簡易トイレが並んでいて
トイレ番のおばさまがいらっしゃいます。
そう、有料トイレです。こちらは3年前は6Pでした。
今は20P≒80円
儲かる?儲からない?はさておき、今のロシアでは小遣い稼ぎは必須なんですね。
雪のない11月のモスクワ
その間ブログ更新していなかった自分をそのおばあさんにもう一度叩いて欲しいくらいだわ。
先日ロシアに行ってきました。雪が・・ない。
11月、シェレメチェボ空港に着陸すると一面の雪に機内は「わあああ~」という「喜びと
覚悟」の感嘆の声が上がるのが定番だと思っていた。
この時期に雪が降らないのは観測史上初ということを改めて聞いて怖くなった。
そういえばここ2~3年毛皮のコートを着ている女性も少なくなった。
日本にいても温暖化は感じるけれど、北に行くほどその深刻さは倍、肌で感じる。
帰ったら節電くらいしよう・・・と反省しつつ今日も電気つけっぱなしで朝を迎える私。
やっぱり感覚がなくなるほど寒くなくてはロシアに行った甲斐というものがないかもしれないですね。
モスクワで老婆に叩かれ壊れたカメラ
10月半ばのモスクワの午後、12~13℃の陽気とロシア人の友人が一緒だったのもあり、
ちょっと気を抜いて歩いていました。目に入ってくる雑踏もなんとなくのんびり見えて、
すべてが暖かくやさしく感じられていた。これは疲れのせいか?そんなことも疑いもせずに。
そんな中、キノコが目に入ったのです。大都会モスクワの真ん中でプラトークを被った老婆は
何も言わずじっと座って大きな大きなキノコをかごいっぱいに入れて座っていました。
緩やかに時間が経って行くようでとてもいい風景だった。
そこを何歩か過ぎ去って下世話な思いが沸き立ってしまった、「写真撮っとこ」。。。
「ねえ、写真撮りたいから、あのおばあさんに断ろうか。」
「いいよ、行こう。」
振り返るとキノコの前には一瞬にして大勢の人だかり。
おそらくヨーロッパから来た観光客らしき人たちがキノコの写真を撮っている!
ここで判断を誤ってしまったのです。
「あ、いいんじゃない、撮っちゃえば!」
ということで、その群れに混じって写真を構えた、その瞬間ッ!!
バンッ!!と私の手元に大きな衝撃が走りました。
と同時に足元にカメラが鈍い音を立てて石畳に叩きつけられたのが目に入り・・・。
キノコ売りのおばあさんが熊のように立ち上がり、熊のように手を大きく振りかざし
熊のような力でカメラを構えている私の手元を叩きつけたのでした。
緩やかな風とともに過ぎていった時間が急に現実に引き戻されて、いつものモスクワの
人、人、人の雑踏と車のクラクションと排気ガスの匂いをツーンと感じられるようになりました。
レンズも壊れ、シャッターも下りないカメラを手にして私はおばあさんに詰め寄りました。
「おばあさん、ちょっといいですか、あなたのしたことは少し加減がひどくはないでしょうか?
このカメラを見てください、一瞬にして壊れてしまいましたよ。しかもあんなにひどく叩かなくても
いいのではないでしょうか。。。ねえ、おばあさん、聞こえていらっしゃいますか?」というのを
世間でよく言う「バイオレンス風巻き舌」という技法を使って語りかけてみました。
ちなみに早口の日本語です。
私は広島育ちなのでそういう意味では説得力があるのではないかと思ったのですが
さすが、伊達にソビエト→ロシアの歴史を渡ってきたわけではないようで
涼しい顔をして遠くヴォルガ河の方向を無言で見つめているばかり。
そよ風がプラトークからこぼれた白い髪を揺らし、いい感じです。
カメラが壊れていなかったら記念に撮りたかったくらいの牧歌的ロシアな演出!
このおばあさんに弁償しろとは考えません、決してそんなお金は持っていないし。
このおばあさんに誤って反省して欲しいなんても思っていません、母親より上の
おばあさんに涙を流して「悪かったわ」と言われても逆に罪の意識を感じるだろうし。
ただ、人々が生きることを楽しむというよりは、生きるために戦っているという気がして
悲しくなりました。まだそういう国だと。まだというよりはむしろこれからも。
経済は急速に伸びているけど、その影で苦しむ人も多く、ストレスを抱える人も
増えているのは現実で、この国の行く末は私の中では不安が多いことを改めて感じた日となりました。
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ああ、反省しよう、反省しよう、写真を撮るときは何でも断ろう。
壊れたカメラは見たくもないので修理せず処分!しました。
日本に帰ってからさっそく新しいカメラを買いに行きました。
若かりし頃(別に今も若いけど←誰も突っ込んでくれないのが悲しい)彼氏に振られると
次はもっといい彼氏ィ!と思っていた。
カメラも一緒だ。
壊されたカメラより上等なものを買ってやる!の勢いで購入。
けれど背伸びをすると機能が多くて使いこなせない。
ここら辺、やっぱりカメラも男も一緒ですね。
怪しすぎ!ロシアン バビー
ネットのお客様が時々全国から遊びに来てくださるので
この感動はひとしお!お店出してよかったな、と思う瞬間です。
7月から私は週6日の営業日のうち2日しかお店に出ていませんので
もし、今後いらっしゃる際は前もってお知らせください。
必ずお店に出向きますので!
そんなお店番ですが、結構刺激的。
中でも新しいSTAFFヒロミちゃんを釘付けにしたのは開店以来何度も
足を運んでくるロシア人。通称バビー。
50歳くらいの体格の良いバビーは自称画家。
だけど毎回姑息な営業をしてくる。
今回はバビー曰く「19世紀のイコン」・・・「本当は20万円くらいするけど
2万円でどうだ?」と言う。
そんなロシア国外から出せないような貴重なシロモノをヨレヨレのズボンのポケットから
引っ張り出し、薄いビニール袋をべりべりに無造作に破き、「どうだ!」と
言わんばかりに見せつけた。ご満悦なバビーの顔が面白かった。
そのお次は、石に彫られたキリスト(←あくまでバビー曰く)。
これがまた、「あんたが彫ったでしょ!」と言いたくなるような作りで
「とらわれた宇宙人にしか見えない、ひいいいい~」とSTAFFヒロミちゃんは
涙を流していた。
次から次と「ウケ」の良いものを提示してくれるバビー。
冗談ではないところがまたいい。
しかも「上海は(景気がいいから)馬鹿売れするのに日本ではまったく売れない!
(まだまだだな、日本は。ワカッテナイヨォ!)」とバビー。
「どっちがっ!」と突っ込みたくなる気持ちを抑え
また次回、刺激的なパフォーマンスを見せてくれるよう「スパシーバ!」と
満面の笑みで見送る私たち。
怪しいロシア人、バビー。
夕日でほんのり染められたバビーの背中を見ていると、日露貿易がいまだ
発展途上であることを知らしめるようで物悲しかった。
三谷幸喜の人形
マトリョーシカが意外にも認知されていないことに動揺しつつ
ロシア雑貨屋を営む日々ですが、最近の日本国民が「マジョリカ」派から
「三谷幸喜」派へ流れつつあるのを感じます。
「あ、これこれ!三谷幸喜の人形!」
これが最近の日本国民の声です。
三谷幸喜さんの脚本で「マトリョーシカ」という舞台がありました。
まんざら彼とマトリョーシカが結びつかないわけでもないのです。
しかも、タイムリーにCMでマトリョーシカを巧みに操りカードのご説明を
されているので、国民の声につながったわけでしょう。
いりえのほとりは「三谷幸喜の人形を売っている店」・・・
確かに流れからすると合ってる、けど、心穏やかに叫びたい
「ちがぁうよっ!!」
そんなこんなで三谷幸喜さんには感謝しています。
ロシア雑貨沖縄で
沖縄の皆様、6月24日RBC午後の情報番組で神戸特集があります。
そこで「いりえのほとり」が紹介される予定です、ぜひご覧くださいね。
ウサビッチ
お気に入りの「ウサビッチ」。
キレネンコとプーチンというネーミング、コサックダンス、マトリョーシカ
どれも最高に楽しい!
キレネンコのキレたときの目元、シビレネンコです。
オススメ!
ロシアの人形、それはマ・・・・
お店にいると、通りを抜けてゆく人たちの声が聞こえる。
「ロシアのこけしだ~」
「ロシアのだるま~」
ああ、みんなロシアだってことご存知なのね!
うれしや、うれしや~♪
などと気を抜いていると
「おいおい、これは北海道の人形じゃ~ねえ~かあ!?」なんて
おっしゃる方もいらっしゃるので
「ロシアで~ス♪」とすかさず答えております。
中でも圧倒的に多いのは・・・
「あ~これ、ロシアの人形、何だっけ?えっと、えっと、、、、
マー、マー、、、、マジョリカッ!!」
初めて聞いたときは「え゛~ッ!?」って思わず通りに立ってるその人を
勢いよく振り返って見てしまった。
でもロシアの人形「マトリョーシカ」の名前をご存じない方の8割は
何故か、「マジョリカ」なのです。
行く人行く人、老若男女問わず
「マジョリカ!」「そうそうマジョリカ、マジョリカ!」って・・・
この「マジョリカ」派の方々に聞きたい!
それってどこから沸いたイメージなのでしょうか?
イタリア・マジョリカ島の陶器はちょっと違うし、魔女のマジョリカ??
う゛う゛~~~気になって眠れません~@@@@@
ウッキ---ッ!!壊れそうです。知りたい~ッ!
たしかに「マジョリカ」っぽい?
ロシア雑貨店店長、新聞に・・・
実は先日、地元神戸新聞に載ってしまいました。
ぼや騒ぎで逃げ送れた間抜けな主婦でもなく、引ったくりを追っかけて
ひっ捕まえた勇敢な主婦でもなく、事件現場写真に密かに写っていた
買い物途中の主婦でもなく。
「これぞ神戸流」って言うこてこてのタイトルのコーナーに載りました。
ここでは神戸のいろいろな人物を紹介しているのですが
そこで「ロシア雑貨店店長」としてこれまでの経緯を通し
紹介して下さいました。
「マトリョーシカの一番小さな人形に願いを込め息を吹きかけ
サッと閉じていく。そこで柄が合えば願いが叶うと言われている。」
と言う話しました。
記者さんは文末に私の雑貨店OPENの夢を「これもマトリョーシカが
叶えてくれたか。」とまとめてくれました。
ああ、美しい締めくくりです。一人で感動しちゃいましたッ!
それと同時に、マトリョーシカに改めてありがとう!
また同時に、今まで気づかないでごめんね!
いろいろな思いがこみ上げる記事となりました。
いろんな願いを叶えてくれたマトさんたち。